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玄関は庭座敷棟の北側に隣り合い、屋根を入母屋造(いりもやづくり)とし、格縁天井(こうぶちてんじょう)の式台を備えた格式の高い造りとなっています。この玄関は、天保9年(1838)に当家が幕府巡見使の本陣に指定されたため、表門とともに急遽増築されたものです。
間口一間半の式台を上がると三畳の「玄関の間」、左に「脇の間」、右に「控の間」を備え、「脇の間」は庭座敷棟の縁に連絡し、「控の間」は襖で「入側」と接しています。
表門は間口一間の切妻造桟瓦葺(きりつまづくりさんがわらぶき)の薬医門(やくいもん)で、両脇に袖壁を構えています。