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元結屋三上家の酒造り

記事ID:0017372 更新日:2021年1月29日更新 印刷ページ表示

酒づくり

 元結家三上家は、江戸時代において酒造業、廻船業、糸問屋などを主な生業としていたことが知られています。そのうち酒造りがいつから行われたのか明らかではありませんが、家伝では少なくとも江戸時代の中ごろまでさかのぼるのではといわれています。

 明治の中ごろには汽船の普及などにより、北前船による廻船業は全国的にも衰退・消滅してゆきます。このような時代の流れを受け、酒の製造、販売は三上家の商売の主力になっていったものと思われます。酒造業の廃業は昭和50年ですが、それまでの間、三上家の蔵では良質の酒を醸しつづけました。明治時代以降の醸造銘柄としては「菊水(きくすい)」「大天橋(だいてんきょう)」「都小町(みやここまち)」などが知られています。また、最盛期には、約600石(約10万8200リットル)もの酒を生産していたといわれます。

 酒づくりは複雑な工程を踏まえて行われる仕事です。建物内部には、洗米のための洗い場、米を蒸す大きなかまどを備えた釜場、麹菌(こうじきん)の繁殖を促すための保温・保湿構造を持つ麹室(こうじむろ)、また酒質を調べる検査室など、酒造りには欠かせない施設が現在もよく保存されており、三上家住宅の文化財建造物としての価値を高めています。

 また、酒造蔵内には、酒の仕込み、搾り、加熱殺菌、貯蔵といった工程に対応する道具や機械類、できた酒を販売するための通い徳利、酒瓶に貼付する銘柄ラベルや包装紙など、往年の三上家の酒造りをうかがい知ることがでる400点を超える酒造関連資料が保管されています。​

 


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