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三上家は、「元結屋」の屋号の由来である元結(紐類)の製造販売に始まり、江戸時代には酒造業、糸問屋、廻船業と幅広く商売を営みました。特に廻船業については、いわゆる北前船に関する数々の資料が残されています。三上家に伝わる古文書群の中には、各地の取引先商人からの書状や、取引される産品の品目や商品相場など廻船業に関する史料が見られるほか、家には航海の守り神として信仰を集めた讃岐の金毘羅権現祈祷札が多数残されています。
三上家は宮津城下有数の商家に成長し、江戸時代の藩政では町名主などの要職を務めたほか、宮津藩の財政にも深く関わりました。近代以降も宮津の政界、実業界で重要な位置を占めました。