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文化財の区分 国宝、重文、史跡について

記事ID:0004804 更新日:2021年1月29日更新 印刷ページ表示

 「文化財」には、国宝、重要文化財、史跡、名勝や文化的景観、無形文化財、埋蔵文化財、登録文化財など様々な種類があります。
 この記事では、そもそも文化財とは何なのかを解説します。

形態・性質別による区分

 「文化財」の区分は、文化財保護法(昭和25年法律第214号)で、次のように定められています。

有形文化財

 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書、その他の有形の文化的所産で、歴史上、芸術上、価値の高いもの(これらのものと一体をなして、その価値を形成している土地その他の物件を含む)。考古資料、学術上価値の高い歴史資料。

無形文化財

 演劇、音楽、工芸技術、その他の無形の文化的所産で、歴史上、芸術上、価値の高いもの。

民俗文化財

 衣食住、生業、信仰、年中行事などに関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術などと、これらに用いられる器具、家屋などの物件で、国民の生活の推移の理解のため、欠くことのできないもの。
※有形民俗文化財と無形民俗文化財の区分があります。

記念物

(1)貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で、歴史上又は学術上価値の高いもの(史跡)。

(2)庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝で、芸術上、鑑賞上、価値の高いもの(名勝)。

(3)動物(生息地、繁殖地、渡来地を含む)、植物(自生地を含む)、地質鉱物(特異な自然現象の生じている土地を含む)で、学術上、価値の高いもの(天然記念物)。

文化的景観

 地域での人々の生活や生業、その地域の風土によって形成された景観地で、国民の生活や生業の理解のために欠くことのできないもの。

伝統的建造物群

 周囲の環境と一体となって歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で、価値の高いもの。

埋蔵文化財

 土地に埋蔵されている文化財。建物、土器、瓦、石器、彫像などの物品(有形文化財)、寺跡、城跡などにかかわらず、埋蔵されて(埋まって)いる文化財は、すべて埋蔵文化財です。

形態・性質別による区分 まとめ

 上記のように、場所や植物、動物なども文化財となり、景観や建造物群も文化財となります。

 また、重要無形文化財(技術など)を持っている人を「人間国宝」(重要無形文化財保持者)と呼ぶこともあります。 そして、これらの文化財のうち、土地に埋蔵されているものを埋蔵文化財といいます(文化財保護法第92条)。

 

指定などの別による区分

 文化財保護法は、重要な文化財を保護し、活用するため、指定や登録の制度を設けています。国宝や重要文化財、史跡などの区分は、その指定によるものです。

指定文化財

国宝、重要文化財

 有形文化財のうち重要なもの。重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものは国宝に指定されます。宮津市内では、「海部氏系図」が国宝、智恩寺多宝塔、旧三上家住宅など18件が重要文化財に指定されています。

重要無形文化財

 無形文化財のうち、重要なもの。

重要民俗文化財

 民俗文化財のうち、特に重要なもの。重要有形民俗文化財と重要無形民俗文化財の区分があります。宮津市に関連するものとして「丹後の紡織用具及び製品」が重要有形民俗文化財に指定されています。

特別史跡名勝天然記念物

 記念物のうち、重要なもの。「史跡」、「名勝」又は「天然記念物」のどれかに指定されます。また、「史跡」、「名勝」、「天然記念物」のうち、特に重要なものは「特別史跡」、「特別名勝」、「特別天然記念物」に指定されます。宮津市内では「天橋立」が特別名勝に、「史跡丹後国分寺跡」、「成相寺旧境内」が史跡に指定されています。

選定による文化財

重要文化的景観

 都道府県や市町村が定める、景観法(平成16年法律第110号)に規定する景観計画区域又は景観地区内にある文化的景観であって、都道府県などが保存のための必要な措置を講じているもののうち、特に重要なもの。

 宮津市内では「宮津天橋立の文化的景観」が重要文化的景観に選定されています。

重要伝統的建造物群保存地区

 伝統的建造物群と、これと一体をなして、その価値を形成している環境を保存するため、市町村が文化財保護法の規定により定めている伝統的建造物群保存地区の全部又は一部であって、その価値が特に高いもの。

登録による文化財

登録有形文化財

 重要文化財以外の有形文化財のうち、文化財としての価値から保存や活用のための措置が特に必要とされるもの。

 宮津市内では「今林家住宅」、「清輝楼」、「茶六本館」、「撥雲洞トンネル」が登録されています。

登録有形民俗文化財

 重要有形民俗文化財以外の民俗文化財のうち、文化財としての価値から保存や活用のための措置が特に必要とされるもの。

登録記念物

 史跡名勝天然記念物(仮指定を含む)以外の記念物のうち、文化財としての価値から保存や活用のための措置が特に必要とされるもの。

指定などの別による区分 まとめ

 これまでみた国指定の文化財は、文化審議会の答申を経て、文部科学大臣が指定します。また、選定文化財である重要文化的景観と伝統的建造物群保存地区は、市町村などの申し出に基づき、文部科学大臣が選定します。さらに、文化財登録原簿に登録された文化財を登録文化財といいます。

 国宝、重要文化財や史跡、名勝などに指定されると、文化財保護法に基づき管理や届出、公開、調査、報告、復旧、環境保全の義務などが課されます。また、原則、輸出が禁じられています。修理などでも文化庁長官の監督などを受ける場合がありますが、国の補助金交付の対象となります。重要文化財などとしての価値を失った場合や、その他、特殊の事由があるときは、指定が解除されることもあります。

 国以外にも都道府県や市町村が、条例に基づいて文化財を指定、選定しています。京都府では「京都府指定文化財」、「京都府選定文化財」、「京都府登録文化財」、「京都府暫定登録文化財」などの制度があります。また、宮津市では宮津市文化財保護条例に基づいて、文化財保護審議会への諮問、答申を経て、教育委員会が「宮津市指定文化財」を指定しています。

 

宮津市の文化財指定

 特に大切な文化財を適切に保存し活用するために、国が文化財保護法(昭和25年法律第214号)に基づいて、重要文化財や史跡などを指定しているのと同じように、都道府県や市町村でも、それぞれ条例を定めて独自に文化財を指定し、保存と活用に努めています。

 文化財保護法第182条第2項 地方公共団体は、条例の定めるところにより、重要文化財、重要無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財及び史跡名勝天然記念物以外の文 化財で当該地方公共団体の区域内に存するもののうち重要なものを指定して、その保存及び活用のため必要な措置を講ずることができる。  宮津市でも、宮津市文化財保護条例(昭和58年条例第35号)を定めて、市の文化財を指定しています。また、京都府でも京都府文化財保護条例(昭和56年京都府条例第5号)を定め、府の文化財を指定しています。  宮津市の指定文化財の区分などは、次のとおりです。

市指定有形文化財

 市の区域内にある有形文化財のうち、重要なもの。 (文化財保護法により重要文化財(国宝を含む)に指定されたものと京都府文化財保護条例により京都府指定有形文化財に指定されたものを除く。)

市指定無形文化財

 市の区域内にある無形文化財のうち、重要なもの。 (文化財保護法により重要無形文化財に指定されたものと京都府文化財保護条例により府指定無形文化財に指定されたものを除く。)

市指定有形民俗文化財市指定無形民俗文化財

 市の区域内にある有形民俗文化財、無形民俗文化財のうち、重要なもの。 (文化財保護法により重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財に指定されたものと京都府文化財保護条例により京都府指定有形民俗文化財、無形民俗文化財に指定されたものを除く。)

市指定史跡名勝天然記念物

 市の区域内にある史跡名勝天然記念物のうち、重要なもの。 市指定史跡、市指定名勝、市指定天然記念物のどれかに指定。 (文化財保護法により史跡名勝天然記念物(特別史跡名勝天然記念物を含む)に指定されたものと京都府文化財保護条例により京都府指定史跡名勝天然記念物に指定されたものを除く。)

市の指定について

 宮津市では、これらの市指定文化財を市文化財保護条例に規定する文化財保護審議会への諮問、答申を経て、市教育委員会が指定しています。 昭和60年より1~2年のペースで、順次、指定しています。