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龍燈寺
概要
龍燈寺
田口山と号し曹洞宗で現在は無住である。振宗寺(伊根町井室)の末寺。本尊は観世音菩薩。寺はもと奥田原の地にあって、今も龍頭か成とよぶ地がある。天正10年(1582)田原城主小出左京進が、父母供養の為、居城に近いこの地に移したと伝える。開基は六世文玉和尚。
奥田原に小字名「天王」がある。天王は牛頭天王又祇園天王であって、薬師如来の垂迹神と信じられた。奥田原にはかつて、牛頭天王(祇園社)と薬師堂と寺がひとつの地域に存在して信仰圏をつくっていたと考えられる。薬師如来坐像(市指定文化財)が客仏として祀られているのは、奥田原において寺とは別に祀られていた故かもしれない。
本堂は文化8年(1811)再建で、境内に丹後半島北部に通形の石像十三仏塔婆があるほか、寺の裏中山墓地のふもとに中世田原の貴重な遺物である墓塔(一石五輪・板碑)がある。