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【特集】まちの安全のぞいてみよう
私たちの暮らしの基盤になる道路、河川。あることが当たり前の存在だからこそ、災害などで被害を受けたときにその重要性に気づくことがあると思います。
今月は、市が進める道路や河川の整備状況や道路をきれいにするボランティアさんへのインタビューをとおしてまちの安全の裏側をお届けします。
滝馬川河川整備(滝馬地区)
金引の滝を山裾に擁(よう)する滝馬地区。地域を流れる滝馬川では、これまでから、床上・床下浸水被害が頻繁に発生していました。
そこで、地元住民と滝馬川の改修に向けた意見交換を重ね、生活道路などの「地域コミュニティを守った上での河川整備」を基本に、計画を進めていくことになりました。その後、地元住民により「滝馬川河川改修促進協議会」が発足され、協議会の皆さんと共に、安全な河川改修の計画を検討してきました。協議会のご協力により、令和元年度に計画を策定し、令和2年度より本格工事に着手しました。事業を進める中で、協議会の皆さんとは定期的に地元の課題や工事に関する意見交換を行い、地元での調整にもご尽力いただきました。ようやく、今年度、477mに渡る改修工事が完了予定で、今後、周辺地域における浸水被害の軽減が期待されます。
改修のポイント👉
下流部の川幅の確保と川底を深く掘ること、また、上流部の流れがつまりやすかった箇所を改修することで、より多くの水が流れるように改修しました
Before&After
川幅が広く、川底も深くなっている
Before&After
川底が深く、勾配も改善されている
通学路拡幅(中橋惣線)
元気いっぱい安全に通学できる日常のため
市内各小学校では、年に一度、通学路の危険箇所を保護者の方たちに確認し、各箇所ごとに、歩道整備、防護柵設置などのハード対策に加え、啓発看板の設置、見守り活動といったソフト対策などを行い、安全な通学路確保に取り組んでいます。
例えば、宮津小学校の東側にある市道中橋惣線は、小学校や中学校に通う子どもたちの通学路となっていますが、歩道の幅が狭く、集団登下校の際には車道にはみ出てしまう危険もありました。
令和2 年度から工事に着手し、集団で通っても危なくない歩道の拡幅や、道を平坦な構造にするなど、子どもたちが安全に通学できる環境を整備しています。
改修のポイント👉
歩道を平坦にし、歩道幅も約1 . 5 倍に!安全に通学できる道に拡幅しました
【インタビュー】地域とともに安心安全な通学路に向けて
宮津小学校 糸井(いとい)校長先生 梅林(うめばやし)教頭先生
宮津小学校では、職員が、年に3回程、児童に付き添い通学路の安全を確認しています。交通量や見通しが悪くないか、また地震発生時の安全性も確認しています。広い校区全体を毎日教員が付き添うことは難しいため、地域で通学の見守りをしていただいているボランティアの方の存在は本当にありがたいです。
近年、児童数の減少により、集団での登下校が難しくなっています。また、夏季は、通学中の熱中症やクマの出没も非常に心配しています。
「こども110番のいえ」が通学路にあると子どもたちも安心だと思いますし、顔見知りの方だと、子どもたちも助けを求めやすいです。ぜひ、ご自宅の前などで通学を見守っていただけるとありがたく思います。
大雲橋架け替え(脇地区)
百年以上地域の暮らしを支えてきた橋が新たに
栗田脇地区の2級河川大雲川(おくもがわ)に架かる「大雲橋(おおくもばし)」。百年以上前となる、大正11年(1922)に設置され、地域の生活を長く支えてきた橋です。
令和3年に実施した橋梁定期点検により、片側の橋脚の一部で偏心・沈下が確認され、翌年度から調査や設計などを実施、令和5年度から架け替えの工事を行いました。
工事期間中、車両は終日通行止めにより、地域住民の皆さまには迂回のご協力などをしていただき、工事を進めることができました。
今年3月に工事が完了し、安全に通行できるようになりました。橋梁自体が強化されたうえ、橋脚が無くなったことにより、大雲川の水が流れやすくなり、洪水対策という防災の観点でも安全性が向上しました。これからも地域の皆さんの無くてはならない橋として生活を支えます。
改修のポイント👉
橋梁(きょうりょう)の安全性が確保され、橋脚が無くなったことで川の水も流れやすくなりました
市民の皆さまへのお願い道路上の不法占用にご注意を
道路管理者の許可なく公道に物を置いたり、民地の庭木などが道路上にはみ出したりすることは、道路法で禁止されており、交通事故の原因となり、大変危険です。事故が発生した場合は、設置者(不法占用者) の責任が問われることがあります。道路を安全・安心に利用するために、ルールを守りましょう。
【インタビュー】自分の住むまち、きれいにするって気持ちいい
ボランティア団体 花植え隊 向井(むかい)さん
普段、まちのなかで目にする、きれいに草取りがされた歩道の植え込みや鮮やかに咲き誇る花々。日々、多くの地域の皆さまに、花壇整備や草刈りなどへご協力をいただいています。今回は、国道沿いで活動するボランティア団体「花植え隊」の発起人・向井さんにお話しを伺いました。
6年前に発足した「花植え隊」。向井さんが、20年前に中学生だった娘さんたちと植えたガザニアを、同じ場所で発見したことに感動し、花植え隊を立ち上げました。現在の仲間は13人。その中で都合のつく人が国道の植え込みや花壇の手入れを行っています。
「一人ではやる気にならなくても、仲間と一緒なら楽しく作業できます」とお話しされる活動には、毎回数人が参加。仲間同士のコミュニケーションの場にもなっていると言います。「作業をしてきれいになったらとても気持ちがいいですよ。達成感を感じますね」と、すがすがしい表情を見せます。
連休やお盆の時期になると、「観光客の方が来られるから、きれいにしないとね」とメンバーの皆さんと話しながら作業をされるそう。「せっかく来られた方に、気持ちよく宮津で過ごしてもらいたいですから」と穏やかな笑顔を見せます。「自分が住むまち。自分たちできれいにしたいですね」観光のまちだからこそ、より一層、そう感じるといいます。
まちを想う気持ちが後押しする活動。なかなか人数が集まらず作業が進まない現状もあると言います。活動は4月〜11月(8月はお休み)第1日曜・水曜の朝1時間程度です。学生さんからベテラン世代まで、月に一度からでも、ぜひ気持ちの良いまちづくりの活動に参加してみませんか? (問▶ 宮津市社会福祉協議会 Tel22-2090)
【インタビュー】道路や河川に ぜひ親しんで
土木管理課 谷口(たにぐち)係長
8月は「道路ふれあい月間」です。普段、何気なく利用している道路は、私たちの生活になくてはならない最も身近なインフラであり、交通、防災、環境、コミュニティ形成など、幅広い役割を担っています。
市では、大規模自然災害に備えた河川氾濫対策や雨水排水対策、そして、通学路などの歩行者対策や橋梁の長寿命化など、安全・安心を確保するインフラ整備を進めています。
また、緑化活動や除草、側溝清掃活動など、地域の皆さまにも多大なご協力をいただいており、市民共創によるまちづくりが進められていると強く感じています。
ぜひ、今後も道路や河川への親しみを持っていただき、事業へのご理解・ご協力を賜りますようお願いいたします。
お問い合わせ
建設総務係 Tel45ー1628
土木係 Tel45ー1629