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【特集】自分と地域を守る防災
20年前、この地を直撃した台風23号は、宮津市民4人の尊い生命と貴重な財産を奪いました。7年前の平成30年7月豪雨でも、大規模な土砂崩れ、孤立集落の発生や鉄道インフの不通などが長期間続きました。そして、1年前の能登半島地震、豪雨被害など、私たちは自然災害の脅威をつくづく思い知らされてきました。
災害は、「忘れたころに…」と言われていますが、過去の被災から得た教訓を今後に生かしていかねばなりません。自分自身や家族を守る備え「自助」、近隣住民や地域の人々と協力し合う「共助」、行政や専門機関からの支援、避難所の提供や情報の発信などの「公助」の3つの力を合わせて、一体となって取り組んでいくことが何より大切です。
6月からは集中豪雨や台風の発生など、風水害の危険性が高まります。いざというときにあわてず行動できるよう、今一度、日頃の備えを再確認しましょう。
まずは!警戒レベルと防災情報を確認!
大雨や台風は進行型災害で数日前から備えられます!早めの行動が大切です!
マイ・タイムラインで我が家の防災計画を作ろう
同じ宮津市でも、住む地区や子ども・ペットの有無、一人で移動できるかなどで災害時の行動は異なります。自分の状況を確認し、個別の計画を立てましょう。
宮津市の個人防災行動計画「マイ・タイムライン」を使って、一緒に考えてみませんか?
(▲令和6年秋に各戸配布をしています。ホームページからもダウロードしていただけます。)
【ステップ1】
ハザードマップで災害の危険性を確認!避難所だけじゃない!それぞれにベストな避難先を考える!
自宅の被害想定を確認しましょう。ハザードマップは市のホームページや「京都府マルチハザード情報提供システム」で確認できます。避難先は指定避難所だけでなく、安全な自宅の上階や親戚・知人宅も選択肢になります。誰と避難するか、移動手段は何かも含めて、ハザードマップを見ながら避難計画を立てましょう。
(洪水ハザードマップ)
京都府マルチハザード情報提供システム<外部リンク>
【ステップ2】
日頃の備えを確認!情報を確実に入手できるように確認しておく
食料や生活用品など、必要な物資は日頃から備えておきましょう。食料は最低3日分、可能であれば1週間分を用意します。オムツや薬など、子どもや高齢者に必要なものも忘れずに。(詳細はマイ・タイムラインP12へ)インスタント食品等を多めに買い、消費した分を補充する「ローリングストック」は続けやすい備蓄方法です。災害時に落ち着いて行動できるよう、防災情報の入手方法も確認しておきましょう。
【ステップ3】
何を基準に動く?避難スイッチを決めておこう
大雨や台風は事前に予報が出るため、早めの備えが可能です。「高齢者等避難情報が出たら知人宅へ避難する」など、自分の「避難スイッチ」を考えておきましょう。また、「川の増水が始まったら」など、地域ごとの「災害モード」への切り替え基準を持つことも大切です。
あなたも防災情報入手マスターに!
いざという時、落ち着いて行動するためにも「最新の正しい情報」をどこで入手するか、普段の確認が大切です!
きょうと危機管理WEB<外部リンク>
川の水位情報や土砂災害警戒情報、地震・津波情報など掲載しています。
宮津市公式LINEみやづ情報メール
登録時に「防災」情報を登録すると、スマートフォンなどで防災情報を受信できます。
みやづ防災電話FAX連絡サービス
携帯電話をお持ちでない・メールを利用しない方のための配信です。
申込方法: 消防防災係へ申込書を提出
TEL:45-1605
住所:宮津市防災拠点施設(宮津与謝消防署宮津分署2階)
気象庁「キキクル」(危険度分布<外部リンク>)
大雨や洪水による災害の危険を地図上で確認できます。
このほか、NHK データ放送(d ボタン)や「あなたの街の防災情報」(気象庁)もあります!
マイ・タイムラインを作っていただきました
高齢者の見守り活動をされている民生委員・児童委員の長谷川さんと、子育て中の松本さんにマイ・タイムラインを作ってもらいました。どんな気づきがあるのでしょうか…
Q.実際にハザードマップを見たことはありましたか?
長谷川さん:あります。マップ上、自宅は土砂災害警戒区域外ですが、台風23号の時は、玄関や自宅近くの畑も水がつきましたよ。
松本さん:確認しています。オンラインで見ると過去の浸水実績も確認できました。これは紙のマップでは知れないので便利!我が家の場合、指定避難所への道も水害実績があるので、少し離れた避難所へ車でいく必要がありそうです。
Q.備蓄はしていますか?
松本さん:子どもができてから意識が変わり、水は常に備えています。歯ブラシや簡易トイレなど、百円均一で防災グッズはそろえています。
長谷川さん:私も簡易トイレなど備えています。リスト以外だと、小さなハサミがあると意外と便利だと思います。
Q.どのタイミングで避難しますか?
長谷川さん:私は民生委員なので、「高齢者等避難」が発令されたら、10人ほどの方に電話で避難を呼びかけます。自分も同じタイミングで動こうと思います。
松本さん:うーん、レベル4かな…。子どもが小さいので、備蓄などをしっかりして、できるだけ自宅で過ごしたいです。
Q.実際にマイタイムラインを作ってみていかがでしたか?
松本さん:ちゃんと逃げられるのか確認するためにも、次、警報が出たら、避難してみようと思いました。安全な時に、子どもと一緒に避難所へ行ってみるのもいいですよね。
長谷川さん:高齢者の方はなかなか避難が億劫なもの。早めに呼びかけたいと思いました。
助と共助で備える防災
【Interview】気軽に楽しく防災を知る一人でも多くの方が自分と子どもを守れるように
防災ママサークル ままもりっこ 坂中 綾香さん
毎年のように自然災害のニュースを目にする中、被災経験がない私も「3人の子どもを守れるようになりたい」と思い、防災士の資格を取りました。学ぶほどに、防災は一人ではできないと感じる一方で、気軽に学べる場が少ないことに気づき、防災サークルを立ち上げました。
「防災」と聞くと身構える方も多いので、子どもが非常食に慣れる「非常食ランチ会」など、気軽に楽しく防災を学べるイベントとなるように工夫をしています。
母親同士のつながりは災害時にも大きな支えになると思います。日頃から関係を築くことで、いざという時に助け合えるようになります。サークルには、丹後の2市2町から参加があり、緩やかなつながりが生まれています。
災害を恐れるだけでなく、自分や家族を守るために、防災についてぜひ知ってほしいと思います。
坂中さんちのマイ・タイムライン
我が家は、土砂災害警戒区域外で、2階であれば浸水の可能性は低く、備蓄もしているので垂直避難をします!
1週間分の食料品の備蓄
information
問:防災ママサークル ままもりっこ<外部リンク>
✉:[email protected]
SNSでは防災情報を配信中!イベントの様子はホームページからご覧ください!
▶ホームページ<外部リンク>
▶Instagram<外部リンク>
【Interview】想像力を持って明日起こるかもしれない災害に備える
由良自治連合会 濱本喜彦さん
一昨年の暮れ、由良地区で火事と交通事故が続けて起こり、さらに能登半島地震も重なりました。地域内では「いざという時の対応を確認したい」という声が上がり、由良自治連合会として訓練を実施しました。
訓練で実際に動いてみて気づいたことも多くありました。地震時の指定避難所は山際にありますが、高齢の方からは「遠くて避難が難しい」という声が。代わりの避難先や避難方法を考える必要があると実感しました。また、避難所での暑さや寒さへの対応も課題です。
防災には、日頃のコミュニケーションがとても大切。顔見知りは助けたいという気持ちが自然と生まれますし、その輪が広がるのが理想です。地域のつながりの強さは、宮津の防災の力だと思います。できるだけ現実的なシミュレーションを行い、助かる確率を少しでも上げていきたいですね。
各地区にお伺いします!地域の防災、一緒に考えませんか?
宮津市では、市の職員が地区の集会などに伺い、市の防災などに関する出張講座を開催しています。
「地区の防災を考えたいけれどどうすれば良いか分からない」「マイ・タイムラインを地域で作ってみたい」という方は、ぜひ、消防防災係へご相談ください。
これまで開催したテーマ
・地震・津波・風水害について
・地区防災計画
・地域における避難方法
さいごに
消防防災課石倉 危機管理監
近年の異常気象で、風水害の頻度と規模は深刻化しています。行政の対策と併せて、住民の皆様一人ひとりの行動が生死を分けます。
パンフレット「つくろう!マイ・タイムライン」を活用し、各家庭での備えを進めるとともに、地域の絆を深めることが災害に強いまちづくりとなります。風水害は『想定外』ではなく『必ず来る災害』です。この特集をきっかけに、ぜひ防災意識を高め、具体的な「備え」につなげていきましょう。
8月31日(日)に、栗田地区で、京都府総合防災訓練が実施されます。ぜひ見学ください。