ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

∞の暮らしに惚れた夫婦 ~コードロン=ジュリアンさん、展子さん 上世屋〜

印刷用ページを表示する 記事ID:0004476 更新日:2020年7月20日更新
<外部リンク>

ジュリアンさん、展子さん

 

宮津で「輝く人」を紹介する「MY-PLACE」。

 

今月は、昨年夏、上世屋に移住されたコードロン ジュリアンさん、展子さん夫妻を紹介します。

 

それぞれのルーツ

ジュリアンさんの出身はベルギーで、日本語を勉強するため2年半ほど前に京都へ来られました。語学学校へ通うかたわら、京都市内のレストランでアルバイト生活を送り、語学学校卒業後は、フランスの旅行会社の京都支社に就職。旅行客へガイドをする中で、インバウンドの受け入れやゲストハウスを自分でやってみたいと思うようになったそうです。

移住するほど日本のことが好きになったジュリアンさん。ある日、船のキャプテン(船長)をしていた祖父が日本を旅した際にとても好きになり、ジュリアンさんに日本の文化を伝えたいと、宮本武蔵の本をプレゼントしてくれたことが日本に興味を持つきっかけだったそうです。

「もらった時は日本語が読めなくて、フランス語版を買ったよ」

読めば読むほど日本に興味を持ち、高校生の時に初来日したそうです。

 

展子さんは関東出身で、幼少の頃父親の転勤でアメリカへ移住し育ちました。一時帰国した際もインターナショナルスクールに通い、その後アメリカの大学に進学。そのままアメリカのインテリアデザイン会社に就職しました。仕事でレストランやホテルのインテリアを手がける中で、自らがプレイヤーとなり、お客様をもてなしたいと思うようになったそうです。

日本に移住するきっかけはというと、幼少期から過ごしたアメリカでの日々の暮らしの中で、自分が日本人なのか、アメリカ人なのかを悩む日々を過ごされ、3年半前に母方の実家の京都市内に移住を決意、二人が出会うことになるレストランで働くことになりました。

 

ジュリアンさんと猫

 

即断、即決、上世屋移住

共に「京都の田舎でゲストハウスを経営したい」と考えていたお二人は、休みのたびに府内の田舎を訪ね歩く生活が始まりました。そして2019年春、上世屋にたどり着きます。

上世屋で初めて出会ったのは和紙作家の山形歩さん。

「上世屋のことを色々と教えてくれて、すぐに仲良くなった」と声を合わすお二人。

月に2回の頻度で京都から上世屋に通うようになり、多くの知り合いができたとのこと。

「自分達が住民のような気持ちになっていた。」

行動が早いお二人は、2019.8月の終わりに移住を決意。上世屋には、移住体験や地域の方と触れ合えるコミュニティハウス『セヤハウス』があり、そこで仮住まいを始め、ゲストハウスを営める空き家探しを始めます。

 

世屋ハウス

 

考え方を根底から変えられた出来事

お二人の夢であった「ゲストハウス」。日本の都市部である東京、大阪や日本を感じられる京都には毎年多くの外国人旅行者が訪れます。その一方で、地方への来訪はまだまだ少ないのが現状です。

「これからは、日本の暮らしが残っている地方へと外国人旅行者は目を向ける。そういった旅行者を受け入れ、日本の暮らしを伝えていきたい」

お二人はそのように考え、開業に向け準備を進めていた矢先、考え方を変えられる出来事が起こりました。

 

 『新型コロナウイルス』

 

通信や交通の利便性が向上し、世界が小さくなったと言われる今、多くの人々が移動することにより新型コロナウイルスの感染も世界規模で拡大していきました。世界では街全体を封鎖するロックダウンが行われ、日本でも緊急事態宣言が発令されるなど、普段の生活や経済に大きな影響が出ています。それらがきっかけで、オーバーツーリズムなど今の旅行形態に疑問を持つようになられました。

「多くの人が飛行機で移動する。環境問題にも繋がっているよね」そう話すジュリアンさん。

ローカルリソースを使ったローカルビジネスの展開を夢みるコードロン夫妻。上世屋で出会い、上世屋に惚れた理由である自然と、自然と共に生きる暮らし。それらを壊す可能性がオーバーツーリズムにはある。そう考えるようになったそうです。

 

棚田と子ども

 

∞(無限大)の暮らし 上世屋Life

移住の決め手となった自然と共に生きる上世屋の暮らし。

「上世屋の暮らしは自然を使う循環の暮らしなんだ」

上世屋の暮らしは、ただ自然に囲まれて暮らすという意味ではない。上世屋で暮らす人々はみんな手仕事を持っている。和紙作家である山形さんは、春になればコウゾやトロロアオイを植えるなど、和紙の原料から自分で育てている。藤織作家の齊藤さんは、山へ入り原料を採取するところから季節の作業が始まる。小山さんは春から秋にかけては自然栽培のお米農家、冬にはハンターとなり、イノシシや鹿を狩り、解体・加工し、ジビエとして販売している。自然と共に生き、自分達で作り出したモノをナリワイとしている。自分達も自然の循環の中での暮らし、季節ごとに自然の営みをしたいのだ。

「循環って途切れがなく、終わりがなく、だから∞(無限大)なんだ」

お二人は、見つけた宝物を自慢するように話してくれました。

 

ビールの製造工程

 

上世屋の暮らしを1杯のビールで伝えたい

「ベルギーには数百種類のビールがあるんだ」

ベルギーはビールが有名。当然ビール好きも多く、自家製ビールを作っている家も多いそう。ジュリアンさんの実家でも自家製ビールを作っているそうで、日本でも自分が美味しいと思えるビールを作り、みんなに飲んでもらいたいと話されます。

日本には酒類製造に関する多くの規制があるため、まずはクラフトビールを作っている企業での研修や共同でのレシピ開発を行うとこで経験を積み、発泡酒免許の取得を目指されるとのこと。

「上世屋の暮らしを1杯のビールで伝えたい」

いずれは上世屋でホップから栽培し、自生するくろもじや育てたハーブ、野菜などできる限り上世屋・丹後産で作りたい。そして、惚れ込んだ循環する上世屋・丹後の暮らしを1瓶に詰め込み、ビールを飲むことで伝えたい。自分のやりたいこと、自分のノウハウと上世屋のリソースをマッチしたこれからの展開を話されるジュリアンさん。思わず笑顔がこぼれます。

 

その名もkohachi

思い立ったが即行動のコードロン夫妻。夢の一つである上世屋産のクラフトビールの名前をすでに決めています。その名も『kohachi』

「kohachi = 小 + 8なんだ。小は、小さい集落・小さな営みという意味で、8は、横にすると∞で、循環する上世屋の暮らしを表しているんだ」

 二人が出会う前から温めていた思い。出会ってから二人で温めた思い。丹後で出会った人達。そして移住を決意した、惚れ込んだ上世屋の暮らし。それら全てを重ねた名前です。

 

ヤギと風景

 

二人のこれから

セヤハウスに仮住まいしているコードロン夫妻は、茅葺き屋根の古民家を購入。現在住居兼ビール工房の開業に向け大改修中です。そして次のステップとなるのは、この古民家にビールカフェを作ること。川沿いの庭にウッドデッキを作り、お客さんにこのゆっくりとした集落の雰囲気とここで生まれたビールを味わっていただきたい。

そう話されるコードロン夫妻の目には、二人の夢のプロジェクト「ビールカフェ」で楽しむお客さんの姿が見えているようでした。

 

ビール工房と桜

 

ベルギーで生まれ育ったジュリアンさん、日本で生まれ、アメリカで育った展子さん。二人の思いが日本で交わり、今、上世屋で花開こうとしています。

 

2020.7月号広報誌

公式Facebookへのリンク<外部リンク>公式Twitterへのリンク<外部リンク>公式Instagramへのリンク<外部リンク>