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みやづ歴史紀行(169回) 

印刷用ページを表示する 記事ID:0030203 更新日:2026年6月19日更新
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江西寺(こうせいじ)に伝わる絵画

竹が描かれた古い絵画

 吉津地区にある江西寺には、数多くの文化財が伝来しています。なかでも絵画作品には、特に目を見張るものが伝わっています。古い作品として、南北朝時代の「十六羅漢図(じゅうろくらかんず)」(京都府暫定登録文化財)が伝わります。十六羅漢とは、釈迦の死後、長寿を保って仏法を守り伝え、人々を救済することを託された十六人の聖者のことです。鎌倉時代後期には、中国からもたらされた羅漢図をもとに、禅宗寺院を中心として多くの羅漢図が描かれました。本図もこうした羅漢図の一例であり、類例としては、ともに国の重要文化財に指定されている建寺(京都市)や天寧寺(福知山市)のものが知られます。伝来の詳細は明らかではありませんが、江西寺の「十六羅漢図」は文化八年(一八一一)にはすでに寺院の什物(じゅうもつ)として存在しており、長い歴史の中で失われることなく、制作当初の十六幅すべてが現在まで伝来している点で大変貴重です。
 また、与謝蕪村の描いた「風竹図」(京都府指定文化財)も伝わっています。この作品は、蕪村が宝暦四年(一七五四)から約三年間にわたり宮津に滞在した際のもので、墨の濃淡を巧みに使い分け、大画面に竹林の静寂を描いています。画面手前に描かれた竹幹や小竹、岩に根付く小竹の奥には、淡墨による竹林が広がります。宮津滞在期の蕪村は、「丹後時代」と呼ばれるほど多くの書画を残しており、滞在先の見性寺(けんしょうじ)の竹渓をはじめ地元の文人と交流しながら、帰京後の制作につながる基盤を築きました。本作品は、こうした丹後時代の蕪村の活動を知るうえでも貴重です。
 これらは、日本絵画史の研究において重要な作品であると同時に、絵画を通じて地域の信仰や丹後を訪れた旅人の足跡を今に伝える資料でもあります。
(宮津市教育委員会) 

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