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My Place マイプレイス ~等身大で海と向き合う~

印刷用ページを表示する 記事ID:0025226 更新日:2025年2月20日更新
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 宮津で「輝く人」を紹介する「My-Place」
村上純矢写真提供:MITEMI

 宮津湾から天橋立で隔てられた穏やかな内海・阿蘇海。今回は、溝尻の漁師・村上純矢(むらかみじゅんや)さんにお話を伺いました。
 漁師だったお祖父様について3歳からこの海に繰り出していたという村上さん。慣れ親しんだこの場所で漁師になるというのはとても自然な選択だったといいます。しかし、この数年で阿蘇海の大きな変化を感じているそう。「小さい頃は大量のアサリが獲れたことを覚えています。それでも、もっと前の時代を知る人からすれば少なかったそうですが」かつてはその漁を生業にする人がいたほど豊かだったアサリも、今はもう獲れません。地球環境や人の生活様式の変化など、「自分たちにどうにかできる範疇(はんちゅう)ではないです」と話す村上さん。しかし、続けられたのは、悲観の言葉ではなく、実直に自然と向き合い、知恵を絞り、行動をしてきた軌跡でした。
 
元来、魚種や漁法が限られている阿蘇海での漁業。天然の貝が獲れなければ養殖をし、新たな漁法で魚を獲る。数年前からは地元漁師の皆さんと、数は減ったものの生息していたハマグリの資源管理に取り組んでいます。
 
「今、自分にできる最大限のことをやっています」村上さんは、数年前に、ある料理人の方との出会いをきっかけに魚の締め方について研究を始めました。実際に自分が獲った魚を使う方と接する中で、自身の魚がどんな状態で届くのか、より責任を感じるようになり、品質管理にも力が入るようになったといいます。「喜んでもらえるものを届ける」シンプルで強い想いを持ち、他の漁師の知見や卸先からのフィードバックをもとに研究を重ねています。
 
「海で起きていることを少し気にしてもらえたら。本当は何の心配もなく『ああ、海きれいだな』と言えるのが一番だけど。それに、魚食文化を守ること。それが漁業を守ることにもつながります」宮津が誇る豊かな海。美しい景色のその先に少し想いを馳せてみる大切さを阿蘇海の漁師さんが教えてくれました。

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