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〜元 都会っ子が初農業体験!!〜「宮津農旅インターンシップに行ってきました!」
こんにちは、地域おこし協力隊のいまむーこと、今村です。
宮津市はお米栽培を始めとした農業が盛んで、農家の方もたくさんおられます。
都会育ちで今まで農業に関わったことも、農家の知り合いもいない私でしたが、
せっかく宮津に移住したんだからもっと農に触れたい!ということで、
今回、宮津市主催の「宮津農旅インターンシップ」で農業体験してきましたー!
目次
▼農旅インターンシップとは?
▼集落を維持する農業のあり方を学ぶ5日間
▼初農業体験の私の感想
▼農業に興味がある方へ
▼宮津市への移住をお考えの皆さんへ
▼農旅インターンシップとは?
さて、いきなり「農旅インターンシップ」と聞いてもイメージが湧きづらいと思います。
農旅インターンシップとは、田畑を持っていないけれど、“農に興味がある!”“農と関わりたい!”という方を対象に、
地域に入り、暮らしと繋がっている“農”を体験できるプログラムです。
2023年度農旅インターンシップは5日間での日程で全4回行われました。目的や概要についてはこちらです。
【目的】
企業でガッツリ農作業の知識やスキルを学ぶ、というものではなく、地域に入り、暮らしと繋がっている様々な
“農”と“地域”との関わり方を体験することで、自分のライフスタイルに合った、“農”との関わり方を見つけること。
【今回の参加内容】
日時:2023年度 第4回目 11/2~11/6
テーマ:集落を維持する農業のあり方を学ぶ5日間
活動内容
・養老地区という山間の集落で活動する「農事組合法人せんごく営農組合」の甘藍カンラン(キャベツ)の植え替え
・蕎麦の刈り取りと蕎麦打ち体験
・半農半X実践者研修
【せんごく営農組合について】
平成23年に設立したせんごく営農組合は、市北部養老地区で水稲すいとうと花卉かきを中心に集落営農に取り組む農事組合法人です。
地域の水田の9割以上を担う一方、主力メンバーの高齢化が進んでおり、組織の後継者の確保・育成が大きな課題となっています。
今回の体験では、農業だけでなく、農事組合法人の経営等についても学んでいただく予定です。
【HP】
https://www.notabi.jp/
皆さんは最近流行りの「半農半X」や「農のあるくらし」という言葉をご存知でしょうか?
「半農半X」や「農のあるくらし」とは、専業農家ではなく暮らしや職の一部に農を取り入れて、暮らす生き方のことです。
私は前職時、都会で過ごしていたので農に関わったこともなければ、農業という職に全くの無知でした。
しかし、今回「半農半X」や「農のあるくらし」をキーワードにした農旅インターンに参加することで、人生の一部に「農」を
取り入れて豊かに暮らすという選択肢が広がりました。
この感動を誰かに伝えたい!ということで実際のインターン内容をシェアします。
▼集落を維持する農業のあり方を学ぶ5日間
■初日:イントロダクション
1日目の11月2日。お昼に上宮津にあるシェアハウスの『ohashi』に集合しました。
今回のインターン参加者は、兵庫県からきた大学生の美佳さん。
まずは、オリエンテーションとして、農旅インターンシップの目的や5日間のスケジュールを本プログラムのコーディネーター、
株式会社百章の矢野さんから説明を受けました。
インターン概要を説明する(株)百章の矢野さん
兵庫県にお住まいの美佳さん
矢野さんから「素晴らしい組織なのに周りに知られていない『せんごく営農組合』の想いに触れ、第三者にその魅力を発信すること」
と今回のミッションが伝えられました。
オリエンテーションを受けた後、私たちは早速本インターンの舞台である養老ようろう地区に向かいました。
養老地区は、宮津市の北部にあり、海がおなか・山がせなかにある地域です。
まずは地域を知るために、養老地区の有名な漁港に向かいました。
そこで橋田はしださんという京の田舎暮らしナビゲーターの方が「養老」という地区の歴史や特徴を解説してくださいました。
養老がどんなまちか話す橋田さん
「仕事は一つでなくても良い。1/3農業や漁業、1/3仕事、1/3自分の好きなことをして働くのもいいのでは。
また、その願いが叶うまちだと思う。」と語る橋田さん。
橋田さん自身も電気店を経営しながら、休日は観光ガイドを行うなど複数の活動をかけもちしているそう
一つの仕事じゃなくてもマルチに働くそんな生き方もあるんだ、ということが一番印象に残りました。
橋田さんのお話を聞くことで、養老地区のことが少し分かりました。
次にせんごく営農組合の方と挨拶をして初日のプログラムは終了。
今回お世話になるせんごく営農組合の方々
帰り道、美佳さんと話す中で、農旅インターンになぜ参加したのか聞いてみました。
「大学入ってしばらくコロナで何にもできなくて。今だからこそ、自分が興味あることをまずは体験してみようって。
今はとにかく何者でもないし、自分が何をやりたいのか知ろうって。」
私は美佳さんの話を聞いて、『自分が何をやりたいのか知ろう』と行動する姿が素敵だと思いました。
大学生の時に、外へ飛び出して行動していて本当にかっこいい!
実は美佳さん、農旅インターンの参加は今期2回目だそう。
なぜ、もう一度体験しようと思ったか聞きました。
「最初の『農旅インターンシップ』はSNSの広告で知りました。普段から時間があれば色々な県にいき、地域体験をしているので、
別に宮津じゃなくてもよかったんです。
でも、前回の宮津の体験が楽しかったから、また宮津に行きたいなって思ってもう一度参加しました。」
■2日目~4日目:農業体験&報告会
2日目の11月3日。
この日は朝の8時に養老に向かい、養老地区の約10名の方と蕎麦の実の刈り取りを手伝いました。
蕎麦の実を刈り取る様子
大量の蕎麦の実が刈り取れました!
私自身、蕎麦が好きでよく食べているのですが、恥ずかしながら蕎麦の実を初めて見ました。
蕎麦の実は、米粒よりも小さいぐらいの大きさ。この実を挽いて粉にして、麺になるまでにはいくつもの工程があり、
普段何気なく食べている蕎麦にも色んな人の努力が詰まっていると知りました。また、実を食べさせていただきましたが、
少し蕎麦の良い香りと風味を感じ、でも食感は蕎麦には到底似つかない不思議な体験でした。
蕎麦の実(真ん中の茶色の実)
昼食を済ませた後、せんごく営農事務所にて代表の小嶋こじまさんから経営に関する講習会がありました。
せんごく営農組合の歴史を聞き、長きに渡って同じメンバーの方々が組合を守り抜くために努力されていたことを知りました。
午後はせんごく営農組合の畑に行き、甘藍(=キャベツ)の植え替え作業へ。
キャベツが植えてある畑の奥行きはなんと55メートル!!キャベツにも性別があり、左列のビニールハウス内にあるキャベツは全てメス。
右列のビニールハウス外にあるキャベツは全てオスに揃えて栽培しているそうです。
性別の説明を受けてキャベツのオスメスについて意識したことがなかったので衝撃を受けました。
一面、キャベツ畑
キャベツにオスメスがあることも、間引きすることも知らなかった私。
こんなにキャベツのことを真剣に考えた日はこの日が初めてかもしれません。
この日はビニールハウスの列を変えて、キャベツの中でも珍しい品種を作るためにオスとメスを隣同士に植え替える作業をしました。
なんとオスは食べないんだそうです。
キャベツの植え替えをしている様子
今日の作業をご一緒するせんごく営農組合さんのメンバーは4名。普段から少人数で活動していると聞き、
この作業を10名以下の作業員で守り抜いていることに驚きました。
1つのビニールハウス内の植え替えが終わった様子
小嶋さん率いるせんごく営農組合メンバーはとても仲が良く、休憩中は農業には関係のない釣りの話や肉の話など、常にお話に花が咲いていました。
そんな様子をみて、美佳さんが「私も、せんごく営農組合の方と一緒に釣りをしたい!」と言ったら、「連れて行くよ」と二つ返事。
参加者と地域の皆さんと少しずつ仲を深めていきました。
息抜きでせんごく営農組合の方と美佳さんの距離は縮まっていく
ちなみにせんごく営農組合では、キャベツだけでなく、水稲栽培も行っているそう。
なんと水稲栽培だけで、養老地区の約20ha(なんと東京ドーム4個分に近い面積!!)に取り組まれているそうです。
また、せんごく営農組合では養老のお隣の日置地区でもストックという花を育てており、こちらの生育場も見学させていただきました。
ストックには花の咲き方に種類があり、見分け方を教えてもらっている様子
甘藍の収穫作業が終わった後も、自分たちの畑の場所に連れて行ってくださり、熱心に説明してくださる組合の方々をみて、
本当にこの地の自然と農が好きなんだなということを実感しました。
この日は、8時から作業をし、日が沈む前に17時頃に解散。地球のリズムに合わせて健康的に働くことができ、陽の光もたくさん浴びて
私の身体もすごく喜んでいることを感じました。
3日目と4日目の日中は、私は参加することができなかったのですがキャベツの植え替えの続きや、蕎麦打ち体験、
半農半Xをテーマにした研修など楽しく学びになるコンテンツが実施されました。
せんごく営農組合の方々が刈り取った蕎麦の実で作った蕎麦
私も蕎麦作り体験でつくった蕎麦のお裾分けをいただきました。
蕎麦の実の刈り取り体験をした後に食べる手作りのお蕎麦は、いろんな人の顔が浮かび、とても愛着がわきました。
こんな気持ちが農作物に芽生えるのだと感じました。
4日目の19時からは参加者の美佳さんによる報告会があり、駆けつけました!
美佳さんは、今回のミッションである農旅インターンを通して感じたせんごく営農組合の魅力を、
地域の皆さん、関係者の前で堂々と発表していました。
せんごく営農組合の魅力を語る美佳さん
美佳さんがせんごく営農組合に一番伝えたいこと。
それは、「楽しかったな、また来たいな。」という養老地区とせんごく営農組合さんへの愛着でした。
そんな居心地の良い農業体験だったそうです。
「陽の光を浴び、土に触れながら行う毎日の作業、そして合間の休憩とたわいもない会話。まだ出会って4日間しか経ってないのに、
昔からの知り合いかと錯覚するほど仲良くなって釣りにいく約束をしたり...。とにかく、せんごく営農組合のメンバーの仲が良く、
収穫後にはフラッとみんなで美味しい肉を食べにいったりしているエピソードも素敵です。そんな職場で働きたい!
だから、この人たちがいる宮津に、また帰ってきたいなという居場所になりました。」と発表。
美佳さんの思いが詰まった報告会となりました。
笑顔であたたかい眼差しで聞いていてくださいました
▼初農業体験の私の感想
冒頭でも書いたように、これまでの人生でほとんと農に触れることのなかった私。キャベツにオスメスがあることを知ったり、
間引きしたりすることも全てが新鮮で、この過程を経て売り場に並ぶことを改めて知り、とても感慨深かったです。
幼少期から前職まで都会で生まれ育ち、野菜は加工された状態でスーパーに陳列される完成品としてしか見る機会がありませんでした。
しかし、今回のインターンシップで、キャベツが売り場に出るまでの工程を体験し、それまで作っている人の想いや手間をかけていることを感じ、
感謝する気持ちを再認識しました。都会に住み続けていたら、この工程をいつ知ることになっていたのでしょうか。
農業ってハードで大変なイメージがあります。
ですが、今回受け入れていただいたせんごく営農組合の方々がとても楽しく農作業をされていて、その想いに触れ、
少しだけでも農に関わり、体験できて本当に楽しかったです。
参加者は20代ばかりでしたが、年齢関係なく、受け入れてもらえたこと。
農作業の合間にたわいもない話をし、凄く生き生きしている方々に出会えたこと。
私自身、仕事をしているのに休日を楽しんでいるかのような気分になりました。
「水稲は生産のコストの負担が大きくて辞めたいが、この養老地区の農地を守りたい。荒地にしないためにも頑張りたい。」という
せんごく営農組合の使命感。
「朝、野菜たちの顔がどんな顔か見るのがすごく楽しみで生き甲斐なんだ。」とおっしゃっている代表の小嶋さんの笑顔。
小嶋さんたちのキラキラした表情は忘れられません。
今回の取材を経て、まだ周知されていない農の魅力を伝えるべく力になりたいと私自身も強く思いました。
また、継続的に携わっていきたいという気持ちもあり、年末に美佳さんと一緒に自分達で収穫した蕎麦の実で蕎麦打ち体験をしてきました。
久しぶりにお会いした小嶋さんから「せんごく営農組合に興味がある方、いつでも畑や作業の様子を気軽に見にきてください!」という
メッセージもいただきました!
移住して約9ヶ月、まだまだ知らない宮津の魅力はたくさんあると実感しました。
農業に興味のある方、半農半Xに興味のある方、農業に興味はあるけどなかなか一歩が踏み出せない方。
農林水産課にお問い合わせください。
まず、ここから参加して宮津の農がある暮らしを知ってみてはいかがでしょうか!
▼農業に興味がある方へ
宮津市 農林水産課
TEL 0722-45-1626
過去の農旅インターンシップを知りたい!
株式会社百章
https://note.com/hyakusho_inc
▼宮津市への移住をお考えの皆さんへ
移住相談を希望される方は、以下のお問合せ先までご予約をお願いします。
オンライン及び対面(来館)の両方で受け付けております!
<お問い合わせ先>
TEL:080-9360-5081 (前尾記念クロスワークセンターMIYAZU)
Email:[email protected]
<訪問先>
前尾記念クロスワークセンターMIYAZU(宮津市字鶴賀2164番地の2)
月~日(土日含む)※年末年始は除く。午前9時から午後7時半まで
クロスワークセンターではこんな活動もしています▼
https://foundingbase.jp/m/m1b47329cc232
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