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おすすめを届けたい 〜今中 美有 さん〜
宮津で「輝く人」を紹介する「MY-PLACE」。
小さい頃から、ミツバチと共に生きる祖父母と母の背中を見て育ったという養蜂家の今中さん。「ずっと手伝ってきた家業をいざ継ぐと、改めて大変さを実感しました」。
ミツバチは、ハチミツや刺すといったイメージが強いですが、私たちの生活を見えないところで支えている大事な生き物。ハチのように体に花粉をつけて運ぶ動物は「ポリネーター(送粉者(そうふんしゃ))」と呼ばれ、農作物など多くの植物の受粉に欠かせない存在です。
今中さんのおじいさんは「農の匠」と呼ばれる、ミツバチ飼育のプロで、春になると農家さんへ貸し出し、受粉を手助けします。ミツバチが食糧として花粉と蜜を集め、その過程で受粉が行われ、また次に働いてくれる幼虫も育ちます。そのため、彼らが健康に働いてくれる環境を整えることが大切で、気候とミツバチたちの状態を気遣いながら育てることが難しいのだそう。おじいさん、お母さんの指導の下、養蜂の技術を磨いていくのが今後の目標です。
今中さんが引き継いで、新たに挑戦したのがハチミツの販売。パンに塗ったり、ヨーグルトに入れたりといった使い方だけでなく「もっと食べてもらいたい」「色々な使い方を知ってほしい」とミミレーヌを開業。現在はネット販売と、宮津市内の企業とのコラボが中心。関東のお客さん、リピーターが多く、「自分が美味しいと感じたものだけ」とこだわりのハチミツを販売されています。
現在は、蜜蠟(みつろう)と呼ばれる、六角形の巣の元となる材料で作ったキャンドルが人気。優れた保湿性と光沢があり、化粧品にも使われています。好きなアロマオイルとブレンドして使用するのがおすすめで、ハチミツとセットでプレゼントにも喜ばれているそうです。また、余って固まってしまったハチミツは湯銭すれば元にもどりますが、敢えてそれをお風呂で使う用として置いておいて、パックにするのもおすすめだそうです。塩と一緒使うことでスクラブにも。女性ならではの視点でハチミツの魅力を紹介していくことにも、力を入れておられます。
ハチミツはミツバチたちの食糧。9月を最後に採取はお休みされ、ハチたちの越冬の準備を行います。少しでも暖かく、宮津の冬を越せるように。また春になったら花の香りに誘われたミツバチたちが市内を飛び交います。