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豊かな自然にホタルが喜ぶ「田原地区」と「辛皮集落」
豊かな自然にホタルが喜ぶ「田原地区」と「辛皮集落」
宮津では、初夏の夜道を歩いていると、ふわふわと舞うホタルの姿をよく見かけます。ホタルを見たら「夏がきたなぁ」と感じる人も多いのではないでしょうか? 宮津市内のいたるところで見ることができるホタルですが、中でもホタルの名所として知られる「田原(たわら)地区」と「辛皮(からかわ)集落」をご紹介します。
ホタルの種類は様々
ホタルは約2000種類いると言われており、日本には約50種類ほど生息していますが、そのなかでも名前をよく聞くのは「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」ではないでしょうか。宮津市で見られているホタルも、この2種類が多いようです。
ホタルは水が綺麗な自然環境でしか生きられず、そのため日本固有の種である「ゲンジボタル」は、良質な自然環境を示す基準とされる、環境調査のために選ばれた10種類の指定昆虫に選ばれています。そんな「ゲンジボタル」がよく見られる宮津は、自然が豊かな場所とも言えます。
「ゲンジボタル」の大きさは15ミリ前後で、5月下旬〜7月頃に見ることができます。胸に黒い十字線があり、2秒に1回強く光るのが特徴。
それに比べ、「ヘイケボタル」の大きさは10ミリ前後と少し小ぶり。7月~8月頃に見ることができ、胸に太い縦線が一本入っており、1〜2秒に1回、短く光るのが特徴です。
「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」の名前の由来は諸説ありますが、源平合戦の源氏と平家に由来する説が有名です。
ちなみにホタルの光は、プロポーズの時・刺激された時・敵を驚かせる時に光ると言われています。
田園が広がる緑豊かな「田原地区」
宮津市北部の伊根町に隣接する「田原地区」は山間部にあり、田園が広がる緑豊かな地域です。地区内にある300年ほど前につくられた「前田ため池」や、地元の遊休農地を利用して栽培した蕎麦で作った「田原そば」などが有名な地区です。
「田原地区」でホタルを楽しむ
かつて川の底から湧き上がるようだと言われるほどホタルが乱舞していた田原地区。見頃は年によって前後しますが、だいたい6月頃。昔に比べ減少しているものの、田原川沿いを散策しながら眺めるホタルは、里山の夜をロマンチックに彩ってくれます。
〈データ〉
田原地区
宮津市田原
アクセス: 京都丹後鉄道宮津駅から車で50分、または、京都縦貫自動車道宮津天橋立ICからR178号経由50分
ホタルとカジカの共演が楽しめる「辛皮集落」
宮津市の南部、舞鶴に隣接する上宮津地区の「辛皮集落」は大江山の山腹に位置しており、豊かな自然に囲また土地にある集落。辛皮集落を走る京都丹後鉄道「辛皮」駅を出たところにある、ほんのり甘いお味の「辛皮せんべい」が有名です。
集落を流れる桧川周辺には、ゆったりと飛ぶゲンジボタルと、水田でダイヤモンドのように光るヘイケボタルが生息しており、年によって期間は前後しますが、6月初旬頃から7月初旬頃まで見る事ができます。
また、ホタルが生息する周辺には、「フィフィフィフィ……」と鹿のような鳴き方をすることから河の鹿(かわのしか)とも呼ばれるカジカガエルが生息しており、暗闇に舞う幻想的なホタルの光と、カジカガエルの美しい鳴き声を楽しむことができます。
ホタルの鑑賞エリアは辛皮公民館の周辺と、桧川の約500メートルの清流域。京都丹後鉄道「辛皮」駅より徒歩約4分のところにあり、このあたりは「ホタル&カジカロード」ともいわれています。
辛皮集落で行われるホタルイベント
ホタルが舞い始める6月下旬頃、辛皮集落を含む上宮津地区を元気にするために、2003年に創設されたボランティア団体「上宮津21夢会議」主催の手づくりイベント「辛皮・ホタルとカジカ 夢酔い祭り」が開催されます。
地元アマチュアバンドによるミニライブや、辛皮せんべいの販売、上宮津地区の“おいしい”を味わえる模擬店などたくさんの人たちが楽しい時間を過ごすイベント内容がたくさん!
辛皮では平成15年(2003)頃まではたくさんのホタルが飛び交っていましたが、平成16年(2004)の台風23号による被災と近年多発する豪雨などにより、その数は減少傾向にあります。
特別に保護活動などを行っているわけではないですが、それでも毎年、辛皮集落で舞うホタルの姿を見られるのは、辛皮集落の自然環境が豊かな証拠。初夏の夜、草木や土の香りを感じながら、カジカガエルとホタルの共演を楽しんでみませんか?
〈データ〉
辛皮集落
宮津市辛皮
アクセス:京都縦貫自動車道「宮津天橋立」ICより車で約20分、または、京都丹後鉄道「辛皮」駅下車
「辛皮・ホタルとカジカ 夢酔い祭り」
開催日:6月下旬頃(年により変動)
場所:辛皮公民館及びその周辺
時間:17:00~21:00(予定)
問い合わせ:上宮津地区公民館(0772-22-2415)