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宮津が誇る隠れた“名食材”5選〜アカモク・やまのいも・うご・イサザ・栗田アナゴ〜

印刷用ページを表示する 記事ID:0013099 更新日:2022年3月4日更新
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「宮津市を代表する食材」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?

高級食材の代名詞ともいえる松葉ガニや京料理に欠かせない丹後ぐじ、新鮮な丹後とり貝やイカなどが上がるのではないでしょうか。

しかし、宮津市には、見た目は決して華やかではありませんが、実は隠れた実力を誇る食材がたくさんあります。今回は、その中から5つ、ピックアップしてご紹介します。

 

【アカモク】 “ジャマモク”の評価が一変!健康食ブームで注目の的に!

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アカモクは冬に旬を迎える海藻の一種で、約半年で10m近くまで成長するのが特徴。東北では昔から食べる習慣がありましたが、宮津では船のスクリューにからまってしまうことから「ジャマモク」といわれ、毛嫌いされていました。ところが、最近の研究結果から、アカモクにはカリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラル成分が多く含まれていることが判明。食物繊維もアルギン酸やフコイダンが主体のネバネバ成分が多く含まれていて、免疫力の向上やがんの抑制効果への期待も高まっています。

そんなアカモクが宮津市で本格的に採取されるようになったのは、ここ数年のこと。最初は天然モノが収穫されていましたが、年によって水揚げ量が安定しなかったことが大きな課題でした。そこで、京都府海洋センターと地元の漁業者が共同で、アカモクの養殖技術を開発。安定的な供給を目指しているそうです。漁が行われる2月初めから3月中旬までの期間、スーパーなどを中心に販売されています。

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通常アカモクは下処理が必要ですが、すでに処理済みのアカモクも販売され、こちらは軽く湯通しするだけでOK。アカモク漁に携わる京あかもく・代表の関丈晴さんによると、シンプルにポン酢や三杯酢をかけて食べるのがおすすめ。メカブのような食感を楽しめるそうで、これなら毎日でも食べられそうですね!

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また、京あかもくでは、アカモクにより親しんでもらおうとアカモクの佃煮を瓶詰めにして販売しています。「海の京都宮津」や「橋立大丸」、府中にある「つるや食堂」でも販売されているとのこと。アカモクは、シャキシャキとした食感でクセのない食べやすい味が特徴ですが、関さんによると「瓶詰めは、子どもでも食べやすい味わい」だそうです。こちらもぜひお試しください。

 

<アカモクの佃煮に関する問い合わせ>
京あかもく 代表 関丈晴さん
TEL:090-5367-2965

 

【イサザ】 川で漁獲される「春告魚(はるつげうお)」

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宮津に春を告げる魚として知られるイサザ。イサザは、ハゼ科のシロウオのことで、体長5cm程の小さな魚は、春になると産卵のために川を上ります。地元の人たちは、イサザを狙う漁師が川に入る姿を見るようになると春の訪れを感じるといいます。河口近くに堰をつくり、中央の流れを強めて、緩やかな端から遡上しようとするイサザを篭で漁獲します。つるっとした食感と喉越しが特徴で、その魅力を最大限に味わえるのが躍り食い。宮津の名物料理のひとつにも数えられます。また、小さなイサザを散りばめた卵とじや混ぜごはんも、イサザの味がなじんで美味!生きたままパック詰めや袋詰めにされたものがスーパーに並ぶこともあるので、ぜひ食べてみたいものですね。

 

【やまのいも】 宮津では「栗田芋」(くんだいも)の名で有名

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古くから滋養強壮に良いとされてきたやまのいも。中国が原産で、日本では室町時代に栽培が始まったといわれています。京都府内では亀岡市などの他、宮津市の栗田地区で古くから栽培がおこなわれ、この辺りでは「栗田芋」とも呼ばれています。水はけが良く、かつ、常時湿りがある「いも地」で栽培されたやまのいもは、肉質のきめが細かく、水分も少なめ。さらに驚く程に粘りが強いのが特徴で、高級和菓子の素材としても利用されています。また、近年では、宮津市のふるさと納税の返礼品にも選ばれています。

やまのいもの栽培は、種芋を植える4月中旬頃から始まります。JA京都京野菜部会宮津支部・宮津市根菜部会会長の有田吉治さんによると、やまのいもの栽培で一番大変なのが、6月から7月頃にかけて行う、支柱の設置作業だといいます。やまのいもは、生育するに従って蔓(つる)を巻くのですが、全部で2300~2400個ものやまのいもを育てている有田さんの畑では、2株につき1本の支柱を立てる必要があるため、全部で約1200本もの支柱を用意しなければいけません。さらに、日焼け防止のために藁を敷き、水やりも定期的に行うなど、やまのいもが育つための環境づくりも欠かせないといいます。

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こうして約半年もの期間をかけて11月に収穫された山の芋は、すりおろしてとろろにするもよし、味噌汁の具材にするもよし。有田さんのおすすめは、細切りにしてノリを巻いていただく、いたってシンプルな食べ方。やまのいもの豊かな味わいをダイレクトに楽しめるそうです。

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アカモクと一緒に味わうのもおすすめ。まさに宮津が生んだ逸品同士の夢のコラボレーションですね!

 

<やまのいもに関する問い合わせ>
京都農業協同組合宮津府中支店生産課
0772-27-1026

 

【うご】 冠婚葬祭や暑気払いで提供された丹後の名品

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「うご」とは、宮津市や伊根町の一部地域で食されている、エゴノリという海藻を寒天状に固めたもののこと。エゴノリはホンダワラ類などの大型海藻の一部に絡みつくようにして生えており、比較的波の穏やかな場所に生息しています。毎年7月頃になるとエゴノリ漁が解禁され、漁師さんたちは海に出て、船の上から竿先が八の字状になった漁具を使って、引っかけるようにして漁獲します。

30年程エゴノリ漁に携わる漁師さんによると、元々エゴノリは毎年同じ場所で育つわけではないため、漁をするのも難しいのだとか。年々漁獲量も減少しているだけでなく昔は40名程いたエゴノリ漁師さんも、今では5人程度と数が減ったそうです。そのため市場に出回る量も少ない、大変貴重な食材だといわれています。

そんなうごを「子どもの頃から食べていた」と話すのが、鮮魚店・土産物店を営む橋立やまいちの川村照美さん。特に人が集まる冠婚葬祭の場面や食欲がなくなる夏の暑い時期に食べていたことが多かったそうで、うごをなんとか次の世代にも残したいと、ある商品を開発しました。

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それがこの「うごの瓶詰め」です。「父からサバのへしことバラずしのおぼろ、うごの3つは丹後で守り続けないといけない味といわれて育ちました」と語る川村さん。これまでに、サバのへしこ、鯖ずしのおぼろは瓶詰めとして製造・販売してきましたが、念願叶ってうごの商品化に成功しました。​

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元々、煮固めたうごは賞味期限が短いうえに下処理などが大変なため、食べる人も減っていたそうです。そんなうごを手軽に食べられる瓶詰めについて、川村さんは「お土産はもちろん、宮津の人にも食べてほしいです」と話します。和え物などで用いられるうごですが、川村さんによると、生姜醤油をかけて食べるのがおすすめなのだとか。特に夏の暑い時期に食べてほしい商品です。

 

<うごの瓶詰めに関する問い合わせ>
橋立やまいち
0772-27-1846

http://hashidate-yamaichi.com/<外部リンク>

https://www.instagram.com/hashidate_yamaichi/<外部リンク>

 

コラム
【栗田アナゴ(ヌタウナギ)】見た目はグロテスクながら、昔から食べられている

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栗田地区で昔から食べられている栗田(くんだ)アナゴ。一般的にヌタウナギといわれる脊椎動物で、ウナギの名がついていますが、ウナギとは全く関係ない生き物です。ヌタウナギは、ヤツメウナギ類とともに、4億年以前に出現した脊椎動物といわれ、目が皮の下に埋没し、レンズや虹彩がなく、視神経も退化的なのが特徴。体長は約60cmで大きなものだと80cmくらいになります。

網にかかった魚を食い荒らすだけでなく、ゼラチン状に固まる大量の粘液を分泌するので、漁師さんを困らせているのだとか。宮津では栗田地区でのみ、焼いた栗田アナゴとご飯を混ぜて「アナゴご飯」として給食されていたそうです。そのため、栗田地区出身の人が、他の地域でアナゴを食べたとき、あまりの違いに驚いたという話も取材で伺いました。

ちなみに韓国では古くから滋養食として用いられていて、丸焼きやぶつ切りにして鍋に入れて食べるのだそうです。また革を加工して、財布などの皮革工芸品にもするのだとか。

市内のスーパーなどで時折販売されている栗田アナゴ。コリコリとした食感は、牛のホルモンを思わせるそうです。

実物はかなりのグロテスクな見た目なので、今回はマイルドにイラストでご紹介した栗田アナゴ。興味のある方は、ぜひ調べてみてください。

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