本文
宮津のお正月の風物詩〜文殊堂 十日ゑびす〜
日本三文殊に数えられる智恩寺では、毎年1月9日~10日にかけて『文殊堂 十日ゑびす』が行われます。本ゑびすの10日には文殊菩薩の特別開帳が行われ、境内は商売繁盛や学業成就を祈願する人たちで終日にぎわいます。
お参りの前に知りたい『文殊堂 十日ゑびす』の始まり
智恩寺『文殊堂 十日ゑびす』の始まりは江戸時代。
弘法大師が自ら爪で刻んだ大黒天の版木を千枚刷り、それを棒状に折ってお守りとした「福棒」を一年の初めに文殊の正面で授けたのが起源とされています。
授かった福棒は開かずそのまま神棚へ祀り、商売繁盛を心から願えば、打てば響く鐘の如く大黒天のご加護がいただけるといわれています。
福棒には大黒天の福徳長寿のご利益があるとされているうえ、授かった人には宝船や熊手などの縁起物が当たる空くじナシのお楽しみ「吉祥宝くじ(上記写真)」が用意されているのも嬉しいところです。
大黒天と文殊菩薩に同時にお参りできるスペシャルデー
1月10日は秘仏であるご本尊の特別御開帳の日でもあります。
智恵を授けてくださるご本尊の文殊菩薩のお姿を拝見できるのは、年に一度の御開帳日にあたる文殊堂出船祭(7月24日)と、御顔のみが開かれるお正月の三が日(1月1日~3日)、十日えびす(1月10日)のみ。
本ゑびすでもあるこの日は文殊菩薩と大黒天を同時にお参りができるありがたい日なのです。
まずは本殿前の常香炉で身体を清め、心を込めてお参りしたいですね。
ご祈祷を希望される場合は9日(宵ゑびす)は18時~21時、10日(本ゑびす)は7時~18時の間で受け付けていただけます。
十日えびすの縁起物ってどんな意味があるの?
文殊堂内では福笹や熊手などが授与され、買い求める参拝客が後を絶ちません。色鮮やかな縁起物についつい目移りしてしまいますが、それぞれにはこんな意味があるそうです。
・福笹(生命力や商売繁盛の象徴) ・熊手(福や金運を集める)
・福箕(集めた福や金運をすくい取る) ・鯛(豊漁)
・米俵(五穀豊穣) ・大判小判(金運) ・小槌(心願成就)
・升(蓄財) ・瓢箪(無病息災) ・扇(子孫繁栄) …など。
文殊堂の十日えびすは9日~10日の2日間ですが、11日にも縁起物を購入できるので、当日に行けなかった人も叶えたい願いの縁起物を選んでご利益を授かりたいですね。
お参りが終わったら三門前ものぞいてみよう
十日ゑびすの期間中は参道も華やかに彩られます。門前名物といえば「智恵の餅」が有名ですが、お食事処ではお祭り当日に食べられる「福料理」が用意されたり、参道にはたくさんの出店が並び賑わいを見せます。
商売繁盛を願ったあとは、いつもと違う参道の雰囲気を楽しんでみるのはいかがでしょうか?
<データ>
智恩寺
宮津市字文珠466
TEL:0772-22-2553
拝観時間:拝観自由
ご祈祷受付時間:9日(18時~21時) 10日(7時~18時)
拝観料:無料 ※十日ゑびすの期間中、駐車場無料
ホームページ http://www.monjudo-chionji.jp<外部リンク>