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赤ちゃんが神様とお相撲!?笑顔とかわいい泣き声が溢れる神事「赤ちゃん初土俵入」

印刷用ページを表示する 記事ID:0012384 更新日:2021年11月3日更新
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宮津市にある山王宮日吉神社で行われる、赤ちゃんの健やかな成長を祈るための神事。その際には毎年境内に、地元はもちろん遠方からもなんと350人ほどの赤ちゃんたちが大集合するんです! 全国的にも珍しい「赤ちゃん初土俵入」とは、どんな神事なのでしょう?

豪華絢爛な廻しに注目!赤ちゃんと神様の相撲勝負​

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日本三景の天橋立から車で5分ほどの場所にある山王宮日吉神社。その境内にある摂社・杉末神社で江戸時代から続く神事が「赤ちゃん初土俵入」です。毎年スポーツの日(体育の日)に、生後6か月から2歳までの赤ちゃんがねじり鉢巻と豪華な化粧廻しを付け、土俵の上で神様と相撲を取るという珍しい神事として有名で、近年では毎年およそ350人もの赤ちゃんが参加するといいます。

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初土俵入は、ご祈祷を受けたあとに始まります。行司に抱かれた赤ちゃんが社殿に向かって「ヨイショ!ヨイショ!」と四股を踏み、行司の「シー」という声とともに目に見えない神様を土俵際に押し出そうと奮闘! しかし強い神様に負けてしまい、その際に神聖な場所である土俵に尻餅をつくことで、健康を授かることができると言われています。
土俵の上では、泣いてしまう赤ちゃんもいっぱい。色鮮やかな廻し姿で泣きじゃくりながら相撲をとる様子はなんとも微笑ましく、見守る人たちの笑顔が絶えない、賑やかで心温まる神事です。

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​赤ちゃん用の化粧廻しは40cmほどの小さなもの。現在貸し出される廻しはいずれも神社が作ったもので、天橋立など神社にまつわる景色や草花といったモチーフが描かれています。中には昔の化粧廻しを大切に保管しており、家伝の化粧廻しで参加する旧家もあるのだとか。

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着付けを行うのは氏子の女性たち。2,3人が1組になり、泣きじゃくる赤ちゃんに手際よく衣装を着せていきます。「毎年お手伝いいただくうちに、着崩れしにくい着付けの仕方や赤ちゃんの上手なあやし方のコツを、皆さんだんだんと掴んでいきます。若い方や着付けの経験がない方も先輩の奥様から教えてもらって、裏方の仕事は次の世代へと受け継がれていくんです」と、宮司の奥様。着付けのほかにも衣装の準備や回収、土俵近くでの衣装直し、さらに行司の着付けなど、裏方にもたくさんの手が必要です。それら全てが氏子や地元の人たちの協力で成り立っている、まさに地域に支えられ愛されている神事なんですね。

 

起源は神様を喜ばせるための奉納相撲

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赤ちゃん初土俵入りが行われる杉末神社は、平安時代初期に醍醐天皇の命で編纂された、当時の公文書である『延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょう』にもその社名がみられ、由緒の深さを知ることができます。
杉末神社では、神様を喜ばせる“神賑わい”として、境内の土俵で地元の力自慢たちが勇ましく相撲を取る風習がありました。江戸時代中期には地元力士が「奉納花相撲」を行い、その息子たちに、屋号などをもとにした手作りの化粧廻しをつけさせて土俵に上げ始めます。これが「赤ちゃん初土俵入」の神事誕生のきっかけと言われているそう。

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今では地元を中心に、子どもたちの成長に欠かせない通過儀礼として広く根付きつつあるこの神事。ここでしか見ることのできない愛らしい光景は、未来に残し続けたい宮津の貴重な宝物です。

<データ>
山王宮日吉神社<外部リンク>
宮津市宮町1408
TEL:0772-22-3356

 

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