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第113回 学校の歴史(5) 宮津商業学校と図書館
古写真にみる宮津商業学校
学校の歴史(5)
宮津商業学校と図書館
尋常小学校を卒業する児童が増加する中で、明治時代末期から大正時代には、義務教育後の進路の保障が大きな課題となりました。女子教育の充実が進められる一方で、男子を対象とした教育については、将来の職業に直結する実業教育が注目されました。
宮津町においては、大正八年(一九一九)四月に、宮津尋常高等小学校高等科の一学級として授業が開始され、同年五月、宮津町城東村学校組合立宮津実業学校が設立されました。校舎は旧宮津城内にあった宮津尋常高等小学校(男子校)の跡地が利用されました。
大正九年には京都府宮津実業学校に改称され、翌一〇年、農業部の廃止にともない京都府宮津商業学校となりました。大正一一年の第一回の卒業生は一九名で、進路は銀行員が五名、会社員が一名、商店員が七名、その他は「家庭に於いて活動しつつあり」とされています(『与謝郡誌』)。戦後、昭和二三年(一九四八)には、宮津高等女学校とともに京都府立宮津高等学校に統合されました。
宮津商業学校の歴史の中で、図書館の設置は特筆されます。大正六年頃から、与謝郡教育部会により児童文庫の開設や府立図書館の巡回閲覧などが行われ、図書館完備への期待が高まりました。大正一一年、旧宮津藩校・礼譲館などの蔵書を引き継ぎ、宮津商業学校内に宮津町図書館(宮津市立図書館の前身)が開設。京都府内では京都府立図書館、舞鶴市立西図書館に次ぐ三番目の古い歴史を誇ります。
(宮津市教育委員会)