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たわわに実るオレンジ色のお宝!甘さと酸味がギュッと詰まった由良みかん

印刷用ページを表示する 記事ID:0011634 更新日:2021年10月20日更新
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由良ミカン1

爽やかな潮風が吹く山裾の街・由良地区。ここで秋冬になると収穫されるのが「由良みかん」です。濃い甘酸っぱさが特徴の名産品・由良みかんの魅力やルーツに迫ってみましょう!

 

濃い味が自慢!宮津市が誇る由良みかんとは​

由良みかん2

橋梁を鉄道がのんびりと走る絶景が人気の由良川の河口近く。若狭湾に注ぐ由良川の西側に、宮津市由良地区があります。ここで育てられたみかんは「由良みかん」と呼ばれ、名産品として愛されています。

由良みかん3

由良みかんの魅力は、なんと言ってもその濃厚な味わい。みかんの味を決める上で最も大切とされるのは、甘さと酸味のバランス。どちらかが欠けると大味になってしまいますが、由良みかんはそのバランスがピカイチ! 爽やかな酸味とふくよかな甘さの両方がしっかり感じられ、一房一房にギュッと身が詰まっています。香りも豊かで、皮を剥いた瞬間からふわりと甘酸っぱい芳香が。生産者の野村さんは「とにかく、獲りたてをそのままシンプルに味わうのが一番。みかんそのものの濃い味を楽しんでください」と話してくれました。

 

奥行きのある深い美味しさのワケは?​

由良みかん4

なぜ由良みかんには美味しさがギュッと詰まっているのでしょう? その秘密は、この由良地域の気候風土にありました。

みかんが美味しく育ちやすい条件は、朝晩と昼間の寒暖差が大きいこと、潮風が吹く斜面であることなど。由良ヶ岳の山裾に広がり若狭湾に面している由良地区は、この条件にぴったり当てはまります。そのうえ朝霧が出やすいことや、冬には30cmほども積もる降雪地でありながら湾の内側に位置するため比較的温暖であることも手伝い、濃い味のみかんが育つのだとか。

 

由良地域のみかん栽培のルーツって?​​

由良みかん5

由良地域でみかん栽培が始まったのは、江戸時代末期のこと。各地で商品を売り買いしながら日本海を回っていた商船・北前船が和歌山や九州から苗木を運んできたのが、この地域でのみかん栽培の始まりと言われています。その頃のみかんにはタネがあり、今よりずっと酸っぱいものだったのだとか。

戦後になると、由良地区では戦前まで盛んだった養蚕業の勢いが衰え、それに代わる産業を探らなければならなくなりました。ナシやブドウなど様々な果樹栽培を試した結果、由良地域の気候風土はみかんの栽培にとても適していることを発見。本格的に栽培に取り掛かかります。昭和中頃には、より美味しい品種を作るべく、当時からみかん栽培が盛んだった和歌山などに生産者が研修へ。育て方や品種改良のノウハウを学んだこともあったそう。こうして由良地域はみかんの名産地となったのですね。

 

秋の風物詩・みかん狩りで、もぎたてをいただきます!

由良みかん6

由良みかんには12月頃に食べごろを迎えるもののほか、10月中旬から食べられる極早生みかん、11月初旬から食べられる早生みかんなどがあり、10月〜3月頃という長期にわたってみかんが楽しめます。みかんが旬を迎えると行われるのが、みかん狩り。50年ほど前に「由良みかん狩り組合」が作られ、由良みかんの美味しさを広めるべくPRに力を入れてきました。

由良みかん7

毎年10月20日前後の解禁日には、無事にみかん狩りを楽しめるようにと、なんと畑に作った祭壇に由良地区各社の神職が訪れ、祝詞を上げる神事が行われるそう。みかん狩りは、由良地域に根付いた秋の風物詩となっているのですね。

 

森鴎外の名作にちなんだ別名も!

由良みかん8

由良みかんの中でも、特に石浦地域で獲れたものを「安寿みかん」と呼ぶそうです。これは、森鴎外の小説『山椒太夫』に出てくる人物・安寿から取ったもの。由良地域は『山椒太夫』の中で、主人公である姉弟が売られてくる、物語の重要な舞台として登場するんです。みかん畑の近くには、安寿とその弟・厨子王の像が佇んでいます。

心優しく強く弟を庇う優しい少女の名を冠したみかんを、物語に思いを馳せながら食べてみるのも素敵です。

〈データ〉
由良みかん狩り​

開催期間:毎年10月下旬〜11月下旬
入園料:中学生以上1,000円、小学生・園児700円
※団体(20名以上)は1割引
開催場所:上石浦みかん園・下石浦みかん園
交通アクセス:京丹後鉄道「丹後由良」駅から徒歩約20〜25分、京都縦貫自動車道「舞鶴大江IC」から車で約20分
問い合わせ:0772-22-8030(天橋立観光協会)

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