![]() 写真提供:京都府立丹後郷土資料館 |
絹本著色仏涅槃図 四副一鋪。中央に右脇を下に手枕して宝台上に横たわる皆金色の釈迦を置き、そのまわりを菩薩、仏弟子や諸天たちがとり囲み、下方に多くの禽獣を配置するという通規の構成をとるが、宝台の前に錫杖を持つ地蔵菩薩を描くのは比較的例の少ないもので注目される。沙羅双樹は三方から宝台を取り囲む形を取り、摩耶夫人の一行は左上方から降下している。 均衡の取れた構図はまとまりもよく、樹幹の描写を見ると、枝痕瘤の表現にやや形式化したところがあるものの、全体に整った形を示し、立体感を表す墨隈にも自然らしさが残っている。川岸の輪郭は単純になっているが、波の表現には、鎌倉時代の大和絵に通じる古様さがある。また賦彩にもすぐれ、丹後の仏涅槃図の中でも優品に属する。 動物たちの中にラクダが加わるのは新しい傾向で、前肢を噛む姿の虎の描き方にみられる漢画の影響や、元代の観音図を想起させる膝を抱えた菩薩像の姿態などを考え合わると、南北朝時代の制作とみられる。 寛政10年(1798)に新調された箱の蓋裏に、この仏涅槃図が絵所尊智の末子宗義とその子宗賢の手になること、また天正2年(1574)、正徳4年(1714)の両度修復したことをを記すが、尊智は13世紀前半に活躍した南都絵所の絵仏師であり、その子の制作とすると時代的にやや無理がある。また尊智の子には快智がいて、13世紀後半の活躍が知られているが、ここに見える宗義、宗賢については他に史料もなく確認しがたい。 | |||||||||||||||
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