写真提供:京都府立丹後郷土資料館
木造十一面観音立像
本像は、単髻を結い、頭上に小面(後補)をつけ条帛、天衣、裳をまとい、左手は屈臂して水瓶を、右手は垂下して念珠(欠失)を執る通形の像容を示す。  ヒノキ材の一木造で、腰下から内刳を施し蓋板を当てるが、内刳はさほど深くないもようである。これに両肩先を矧ぎ付けるが、これも当初のものである。天冠、水瓶に差した蓮華、両腿間に垂下する帯、台座、光背を後補するが、概して保存はよい。現在表面に施されている金泥、彩色が厚く、彫りを鈍くさせているが、雄偉な相好や体躯の重厚な表現には、平安時代前期の一木彫像に連なる様式を示している。けれども肉身のモデリングが平板で単調な感があり、また条帛や裳の衣文表現の硬い彫法などからみると、制作は11世紀前半頃とするのが穏当であろう。  なおこの像はもと柳谷(現、長岡京市)にあったもので、文明年間(1469〜87)に盗まれ、その後打ち捨てられていたものとの伝承がある。
未指定文化財 数 量一躯
美術工芸品 年代等平安
彫刻 所有者神宮寺
栗田地区 所在地字中津